「老舗映画館が閉店」を考えてみる
本日の福井新聞にて福井の老舗映画館が9月に閉店と記事が載っていましたね。
映画サークルの事務局を預かって10年。鯖江、福宝、福井シネマと3つの劇場が閉店になります。劇場は3つですがそれぞれが持っていた部屋数を数えると10くらいになるのではないでしょうか?10年で3つの劇場、10部屋での映画上映がなくなってしまう。手軽にスマホで映画を楽しめる時代、高いお金を出して映画館へ足を運ぶ人も少なるなってしまった。値段が高く、決められた時間にしか上映されない、こちらが時間を調整しないといけない物から、オンデマンドで見れるお客様都合最優先が勝った形となる。
ここで見つめたいのは昨日ブログに書いたコシノヒロコさんの言葉。
~時代の変化とともに、ものの見方は変わっていきます。ですから今まであったものに、違う方向から刺激を与えて、現代の暮らしに合うものにしていくことが必要なのです。現代的な感性は、新たな価値を生み出します。~
アートとは違うと思う方もいるかもしれませんが僕には通じていることがあるように思うのです。これに当てはめて考えてみると昔はやった映画館は現代の暮らしに合わなくなり顧客を減らし閉館まで陥ったと解釈できます。配給はお客を得るため映画館を捨てネットで顧客を得る。(時代に合わせる。)取り残された劇場(時代に合わせられなかった。)だけが消えていくように見えます。
別の視点で見てみると、以前僕のブログで書いた「本物は積極的に見にいこう」の記事。
日本全国人口減少が進み、リアルな生活、アナログな生活→デジタルな生活、お金をかけない生活、すべてスマホで買い物、動画視聴などが進むと経費のかかる出店、販売はなくなっていくという事。目の前から、身の周りから「リアル」がなくなるという現実がそこにあります。
映画館だけなく公共交通、街歩き、社会生活などは人間としての社会性を養う現場としてとても重要で昔は生活の中で自然と見についた社会性、コミュニケーション、交渉術などが現代では足りないとされています。
現代の暮らしに合わない物とともに、社会生活の中で必要とされているものも一緒に失った皮肉な現状なわけです。打開策としてはリアルな世界を取りもどせるよう消費者がお金を使う事です。それと同時に現代のニーズにあった消費者満足度を上げる豊かなサービススタイル、商品を地方であってもしっかりと見つめビジネス展開が必要でしょう。これが出来れば回遊性が生まれ良質なスパイラルで経済と街の発展にも寄与、文化度UPへの寄与も見込まれます。
もっと具体的にどうすればよいかという持論もあるのですが、それはまた機会があれば書いてみたいと思います。